お客様を笑顔にする、
プロフェッショナル集団

　2019年3月、新型コロナウィルスの流行でご来店が止まり、地方自治体の要請で時短営業・一時休業を余儀なくされました。「人生には飲食店で過ごす憩いが必要だ」と信じ続けてきた思いが打ち崩されてしまいました。同時にお客様にここまで簡単に見放されてしまうというのは、飲食店側の問題も大いにありうるのでは、と次第に考えるようにもなりました。
　客数が減り売上が減り、そして人までが去っていきました。休業を幾度か繰返し、それは数か月を経て1年7か月にも及びました。月日を重ねて少しずつ積み上げてきた数字という数字はボロボロになりました。必然的にコロナを恨みました。過剰報道も恨みました。強制的に休業へ追い込む対策にも恨みを覚えました。
　飲食業界はただでさえ盛衰が激しい業界です。多くの方がもてはやされ、わずか数年後に様々な理由で飲食業界を去っていくことになるのを幾度も目にしてきました。そのたびに自分事として捉え、奢らず謙虚に誠実に、社員のためお客様のための経営努力を、そう思ってきたはず、でした。
　私たちは何を間違ってきたのかと自問しました。自問してやはり私たちが間違ってきたことに気が付きました。
　「どれだけ真心を込めて料理を作ってきたのか。手間ひまをかけて本当に美味しい料理を作ってきただろうか」この一点です。
　私たちは負けるべくして負けたのです。新型コロナの一件は、私たちの本質を明らかにしました。
　もう迷いはありません。同じ失敗はしたくありません。お客様に手間暇をかけた本当に美味しいものを提供していく。そのために切磋琢磨する。今となっては理解されにくいことかもしれませんが、イコンの原点はストイックに理想を追い求めることにあります。
　新たなものを生み出す「創造」とは自分の内部を掘り下げることで見出せます。心の中を掘り下げ、何を喜びとし何に感動を覚え何に感謝するのか、その思いがなければ「創造」はできません。
　私たちはお客様の心を掘り下げます。飲食の歴史も掘り下げます。飲食の未来も掘り下げます。「創造」を繰り返すことで「持続」を実現していきたい。この栄枯盛衰の激しい飲食業界を生き抜いていきたい。
　正しさに準じる気持ちは活動へのエネルギーになります。「真心をもって手間ひまをかけて」ブレない会社の実現へと邁進します。

令和4年1月14日